ISM Times

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発達障害、自閉症スペクトラムの中学生を持って

   

子供の集団

今回、発達障害の中学生のお子さんがいるお母さんに記事を書いていただきました。内容が変わらない範囲で、多少修正させていただいた部分はあります。

子供が発達障害

うちの子供が発達障害、自閉症スペクトラムと診断を受けたのは中学生になってからです。そのことを多少なりとも理解するまでにはかなり時間がかかりました。

発達障害が理解されにくい、分かりにくいその大きな原因は、その障害が目に見えない頭の中(脳)の障害だからだと思います。

その目に見えない分かりにくさは親にとっても変わりません。

自分がなんとなく理解していたつもりでも、わかっていなかったんだな、と思った経験を書くと、それは支援センターの先生との会話でした。

障害は治らない

確か、他の子供との距離をつかめないという話の流れで、

「それは、発達の遅れなんでしょうか」

と質問したところ、その答えは

「遅れではなく、発達がアンバランスな状態です。」

というものでした。

つまり、この時点では、まだ無意識のうちに、「足りない部分は遅れているなりにこれから発達してくるのではないか」と思い、期待していたのだと思います。

そのために、この会話をした後も、なんとなくすっきりしなかったのですが、しばらくして、「脳がアンバランスな状態がこの子の障害なんだ。生まれつきの身体的な障害と同じように、その障害そのものが時間が経てばなくなるというものではないんだ。」と腑に落ちました。

そして、その障害を持ったまま、その障害をカバーする方法を見つけて社会生活を送れるようにしなくてはならないんだ、と遅ればせながら、思ったわけです。

とはいえ、そう気がついたからといって子供との接し方が大きく変わるものでもないんですよね。

障害との付き合い方が分からない

うちの場合、生活上の問題点として、時間にルーズ、そして、一番の問題として盗癖があります。

朝は起きられない、遅刻しそうな時間でもテレビはつける、満腹になるまで食べようとする、学校でも、全体のペースに合わせることができません。

盗癖に関しては、親の財布に始まり、部活やクラスの子供のバッグを開けて財布を探してお金を取るなどを繰り返しています。

 

どちらも、本人には罪悪感がないので、常に平然としています。

盗んだ相手に謝りに行くときには、先生や、親に言われたように「申し訳ありません。もう2度としません。」と言いはしますが、それは振り付け通りしているだけで、本人は悪いとも、2度としないとも思っていません。

こういうことがあると、いくら頭でこれは障害のせいだと思おうとしても、感情が表に出てしまい、怒鳴りつけたり、物を投げつけたりしてしまうこともあります。

普通のお子さんが普通にできることがないので、これは育て方が悪かったんだろうか、と思うことは今でもあります。

 

まだ、理解が足りないのかもしれませんね。。。

それでも、障害が原因とはいえ、盗みが許されるわけもなく、このままでは警察に厄介になるのも時間の問題と思うと焦ってしまうのです。

実は、これまではなんとか支援センター、病院、学校と連携を取り家庭で社会生活を身につけようとしてきましたが、盗みをする間隔も狭くなるなど、問題行動の程度が高くなってきたため、かかりつけの病院からは施設入所が必要だと言われました。

いつも一緒にいる家族であるからこそ、感情的になってしまったり一歩間違うと虐待になりかねないという限界というものもあると思います。

まだ児童相談所とも話をしなくてはなりませんし、そもそも受け入れてもらえる施設が見つかるかどうかもわかりませんが、それでも、正直なところ、ようやく光が見えたような気がしています。

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